2009年 08月 15日
経営コンサルタントの価値の源泉 part 1 - 論理的な理由付け |
僕は留学に来るまでの5年弱、経営コンサルタントとして働いていました。
この“経営コンサルタント”という仕事は、他人に説明する事が非常に難しいのです。
何より、クライアントの守秘義務があるためにプロジェクトの内容はもちろん、クライアントの名前さえも明かすことはご法度とされている。それゆえ、具体的なプロジェクトの内容を明かせないために、仕事内容の説明はまず要領を得ないものにならざるを得ません。
このブログでも、仕事の内容を具体的に説明することはありません。
ただ、経営コンサルタントの「価値の源泉」は何なのかという点にトピックを絞れば、具体的な事例を交えずとも、コンサルの仕事についてそれなりにイメージを持ってもらえるかもしれません。
僕が良くクライアントから聞くコメントの一つに、「コンサルタントは”地頭”がいいから、他社に入っていってすぐ価値が出せるんですよね」という、“コンサル地頭説”があります。
僕はこれは大きな間違いだと思っています。
まず、コンサルタントとクライアントの間に地頭の決定的な差があるとは思えないのです。
また、仮に地頭でコンサルタントが勝っているとしても、それだけで他社に入って価値を出せる訳が無いと思ってるからです。
コンサルタントの価値の源泉について、論理的な理由付けを試みると、以下の3つに集約されるのではないかと考えています。
1. 特定の課題の解決に100%の時間を費やせる
クライアントは、当然ながら現業を抱えている訳で、特定の課題の解決に力を注げる時間は限られており、
ましてや、クライアントの会社内で能力を認められている方には自然と仕事が集中するので、この傾向はますます強まります。しかし、コンサルタントは100%の時間を特定の課題の解決に費やせるという贅沢な立場にいます。
2. 論点・課題の構造化・整理が得意
通常プロジェクトが始まると、最初の1週間はクライアント社内をインタビューして回ります。これは、コンサルタントは担当業界には精通していても、特定のクライアントの特定の課題については、当然ながらクライアント社内の方と比べて、圧倒的に情報量が劣っているからです。
この作業の過程で、莫大な情報をインプットするのですが、全てを記憶することはできないので自然と「真の課題は何か、要は何が課題なのか?」という構造化・整理をする癖がつきます。この構造化の能力が、クライアントと共に議論を進めていく過程で活かされてくるのだと思います。
3. クライアントにとって、コンサルプロジェクトは変革の良い契機となる
クライアントにとって、外部からコンサルタントが入ってきてプロジェクトをするという事自体が大きな変革です。従って、コンサルタントを受け入れるという決断が社内でなされ、プロジェクトが始まった時点ですでに変革について議論をする環境はある程度できあがっているケースが多いのです。
もっとも、上記の3つの理由だけでは、「何故、コンサルのフィーが正当化されるのか」、「何故、永続的なビジネスモデルになり得ているのか」という疑問はぬぐい切れていないのではないでしょうか。僕自身も、価値の源泉の半分くらいしか説明できていないとの感触を持っています。
残り半分の価値については、次回の投稿で、私見を共有できればと思います。
この“経営コンサルタント”という仕事は、他人に説明する事が非常に難しいのです。
何より、クライアントの守秘義務があるためにプロジェクトの内容はもちろん、クライアントの名前さえも明かすことはご法度とされている。それゆえ、具体的なプロジェクトの内容を明かせないために、仕事内容の説明はまず要領を得ないものにならざるを得ません。
このブログでも、仕事の内容を具体的に説明することはありません。
ただ、経営コンサルタントの「価値の源泉」は何なのかという点にトピックを絞れば、具体的な事例を交えずとも、コンサルの仕事についてそれなりにイメージを持ってもらえるかもしれません。
僕が良くクライアントから聞くコメントの一つに、「コンサルタントは”地頭”がいいから、他社に入っていってすぐ価値が出せるんですよね」という、“コンサル地頭説”があります。
僕はこれは大きな間違いだと思っています。
まず、コンサルタントとクライアントの間に地頭の決定的な差があるとは思えないのです。
また、仮に地頭でコンサルタントが勝っているとしても、それだけで他社に入って価値を出せる訳が無いと思ってるからです。
コンサルタントの価値の源泉について、論理的な理由付けを試みると、以下の3つに集約されるのではないかと考えています。
1. 特定の課題の解決に100%の時間を費やせる
クライアントは、当然ながら現業を抱えている訳で、特定の課題の解決に力を注げる時間は限られており、
ましてや、クライアントの会社内で能力を認められている方には自然と仕事が集中するので、この傾向はますます強まります。しかし、コンサルタントは100%の時間を特定の課題の解決に費やせるという贅沢な立場にいます。
2. 論点・課題の構造化・整理が得意
通常プロジェクトが始まると、最初の1週間はクライアント社内をインタビューして回ります。これは、コンサルタントは担当業界には精通していても、特定のクライアントの特定の課題については、当然ながらクライアント社内の方と比べて、圧倒的に情報量が劣っているからです。
この作業の過程で、莫大な情報をインプットするのですが、全てを記憶することはできないので自然と「真の課題は何か、要は何が課題なのか?」という構造化・整理をする癖がつきます。この構造化の能力が、クライアントと共に議論を進めていく過程で活かされてくるのだと思います。
3. クライアントにとって、コンサルプロジェクトは変革の良い契機となる
クライアントにとって、外部からコンサルタントが入ってきてプロジェクトをするという事自体が大きな変革です。従って、コンサルタントを受け入れるという決断が社内でなされ、プロジェクトが始まった時点ですでに変革について議論をする環境はある程度できあがっているケースが多いのです。
もっとも、上記の3つの理由だけでは、「何故、コンサルのフィーが正当化されるのか」、「何故、永続的なビジネスモデルになり得ているのか」という疑問はぬぐい切れていないのではないでしょうか。僕自身も、価値の源泉の半分くらいしか説明できていないとの感触を持っています。
残り半分の価値については、次回の投稿で、私見を共有できればと思います。
by koroku-in-NY
| 2009-08-15 12:20
| 経営コンサルティング