2010年 06月 03日
マイケル・ポーター「競争の戦略」 |
今更ながら、マイケル・ポーター教授の「競争の戦略」を読んでみた。
数年前に、日本語訳版をさーっと流し読みしたことはあった。だが、僕は日本語訳されたビジネス書を読むのが苦手で、あまり内容が頭に残らなかった。訳の際にニュアンスに微妙なギャップが生じたのではないかという妄想に取り付かれてしまい、解かりにくい内容にぶつかるとどうしても訳のせいにしてその部分を飛ばしてしまうのだ。。。
何はともあれ、原著を読む良い機会だったので、読んでみたのだ。そして、本当に読んでよかったと思っている。
確かに、書いてあること一つ一つを取ると、どれも目新しいことではない。そして、明日から即ビジネスに応用できる実践的な何かを手に入れられるわけではない。
しかし、この本は、企業の長期的な収益性を理解するために必要なガイドラインが、非常に明瞭に整理されている。
『企業の長期的な収益性は、①「インダストリー」の長期的な収益性と、②インダストリーにおける企業の競争優位性/ポジショニングで決まる。そして、②の分析は、正確な①の理解無しには成り立ち得ない。この①は、例の有名な5つの競争要因の強さによって決まってくる。そして、成熟期に入った業界の企業は、①と自社の状況を踏まえてCost leadership / Product differentiation / Focus のいずれかの戦略に明確なポジションを取らなければならない(②) ・・・・』
400ページ近い本だが、上記のように簡単にストーリーを要約することができるくらい、ロジックは明瞭簡潔だ。
そして、この明瞭簡潔なロジックを頭に入れている人は、実はそれほど多くないように思う。私がコンサルタントとして働いている時も、インダストリー自体の長期的な収益性について考える機会は多くなかった(多くのプロジェクトでは、そのインダストリーで戦うことが前提となっていたため)。
もちろん、MBAではポーター教授の理論を取り上げる機会は多いし、その理論を前提としたうえで話が進んでいくことが多い。但し、MBAの授業を受けたからといって、彼の理論の”全体像”が頭にはいるわけではない。そして、この本の本当の価値は、そのロジックの全体像の明瞭さにあると僕は思うのだ。
なので、この本のロジックの全体像を頭に入れていることは、大きな”競争優位”になるのではと思う。たとえ内容をすでに知っていたとしても、是非もう一度通読することをお勧めする。
数年前に、日本語訳版をさーっと流し読みしたことはあった。だが、僕は日本語訳されたビジネス書を読むのが苦手で、あまり内容が頭に残らなかった。訳の際にニュアンスに微妙なギャップが生じたのではないかという妄想に取り付かれてしまい、解かりにくい内容にぶつかるとどうしても訳のせいにしてその部分を飛ばしてしまうのだ。。。
何はともあれ、原著を読む良い機会だったので、読んでみたのだ。そして、本当に読んでよかったと思っている。
確かに、書いてあること一つ一つを取ると、どれも目新しいことではない。そして、明日から即ビジネスに応用できる実践的な何かを手に入れられるわけではない。
しかし、この本は、企業の長期的な収益性を理解するために必要なガイドラインが、非常に明瞭に整理されている。
『企業の長期的な収益性は、①「インダストリー」の長期的な収益性と、②インダストリーにおける企業の競争優位性/ポジショニングで決まる。そして、②の分析は、正確な①の理解無しには成り立ち得ない。この①は、例の有名な5つの競争要因の強さによって決まってくる。そして、成熟期に入った業界の企業は、①と自社の状況を踏まえてCost leadership / Product differentiation / Focus のいずれかの戦略に明確なポジションを取らなければならない(②) ・・・・』
400ページ近い本だが、上記のように簡単にストーリーを要約することができるくらい、ロジックは明瞭簡潔だ。
そして、この明瞭簡潔なロジックを頭に入れている人は、実はそれほど多くないように思う。私がコンサルタントとして働いている時も、インダストリー自体の長期的な収益性について考える機会は多くなかった(多くのプロジェクトでは、そのインダストリーで戦うことが前提となっていたため)。
もちろん、MBAではポーター教授の理論を取り上げる機会は多いし、その理論を前提としたうえで話が進んでいくことが多い。但し、MBAの授業を受けたからといって、彼の理論の”全体像”が頭にはいるわけではない。そして、この本の本当の価値は、そのロジックの全体像の明瞭さにあると僕は思うのだ。
なので、この本のロジックの全体像を頭に入れていることは、大きな”競争優位”になるのではと思う。たとえ内容をすでに知っていたとしても、是非もう一度通読することをお勧めする。
by koroku-in-ny
| 2010-06-03 11:46
| ひとりごと